ことば置き場

物語をめぐり、言葉をめぐり、それから。

詩集#3 雨の日の全力

詩集#3 雨の日の全力

冷たい雨が降った

今日も俺は

何かしらを語り続けた

八時間  語り続けた

喉が  灼ける

白墨の軽さとは

タイショウテキニ

腕の重みで肩が傾く

 

わかってる

わかってるぜ

これで最後なんだろう?

 

窓の外は冷たい雨

階下のパーキングでは

毛皮の女が白い煙を吐いている

黒のドイツ車のボンネットが濡れる

ライトで水の溜まりが黄色にゆがむ

 

最後の全力は

ひとつの死に逢着する

つねに俺は死につづける

誰だってそうだろう

似合わない服を着ていたならなおさらだ

(俺はグレーのネクタイが好きなんだ)

 

さあ  雨の日の

さあ  見せてもらおうじゃねえか

雨の日の全力ってやつを

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